2016/08/05 update

Journal Club

Targeted nucleotide editing using hybrid prokaryotic and vertebrate adaptive immune systems
原核生物と脊椎動物との適応免疫系のハイブリッドを用いた標的特異的ヌクレオチド修飾
July 28, 2016
Keiji Nishida et al
Graduate School of Science, Technology and Innovation, Kobe University
Science

CRISPR/Cas9系の発見とそれを用いた遺伝子編集の技術は、今年のノーベル医学生理学賞受賞の最有力候補で、非常に注目しています。アメリカでは早くもこの技術を応用させた治験が6月に承認されています。
今回は神戸大学のチームがこの遺伝子編集を効率よく行う方法についてScienceに報告しましたので、以下にその要約を日本語訳してみました。

体細胞超変異による遺伝的多様性の生成は脊椎動物の適応免疫系が機能するにあたっては必須のプロセスである。我々は脊椎動物と細菌との免疫系の成分とを組み合わせた複合体を用いてDNAの標的配列特異的な単一塩基置換を起こしたので報告する。標的特異的変異を効率的に発生させるために、ヌクレアーゼ欠損Ⅱ型CRISPR/Cas9と活性化誘導性シチジンデアミナーゼ相同分子であるPmCDA1とを設計し、それらの合成複合体を構築した。特異的な天突然変異が、5塩基の幅を持つ標的領域の、主にシチジン塩基に対して誘導された。我々に方法では、通常のヌクレアーゼを含むCRISPR/Cas9系と比べて毒性が著しく少なかった。ニッカーゼCas9 (D10A)とデアミナーゼの組み合わせは酵母の系では非常に効率的であったが、哺乳類の細胞の系では塩基対の加除をも誘導したが、ウラシルDNAグリコシラーゼを使用することによって、塩基対加除は抑制され、反応効率性に改善が見られた。