2016/05/18 update

Journal Club

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May 18, 2016
Memories of unethical actions become obfuscated over time
Maryam Kouchaki and Francesca Gino
PNAS USA – early edition
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人は自らが行った非倫理的な行為ほど忘れやすい傾向にある。ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院のMaryam KouchakiとハーバードビジネススクールのFrancesca GinoがPNAS USAに発表した論文「非倫理的な行動の記憶は時間とともに想起困難になるMemories of unethical actions become obfuscated over time」の中で、倫理的な行動をとった者と比較して非倫理的な行動をとった者は、その行動の詳細をより多く忘却する傾向にあるということを証明した。これを著者らは非倫理的記憶喪失unethical amnesiaと呼び、非倫理的な行動は忘れられがちであり、仮に覚えられていたとしてもその記憶はより曖昧になる傾向があるということである。

著者らはこれが、人が非倫理的な行動を繰り返し行ってしまう原因の一つではないかと説明している。そして、人が非倫理的記憶喪失に陥ってしまう理由として、自らが非倫理的な行動を行ったという事実が本人にとって心理的苦痛や不快感をもたらす結果、それに対する心理的適応としてその行為を忘却する。そして結果的にはそのような非倫理的な行動を繰り返し行ってしまうのではないかと主張している。
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連続殺人犯などを対象とした研究なのだと思うのですが、当然、上司や政治家などにも当てはまるでしょうね。
長手